法人ごとに異なる志望動機を書くのが難しい場合、使い回しは部分的にOKですが、完全な使い回しは避けた方が良いです。採用担当者にとって志望動機は、応募者がなぜ自社を選んだのかを知るための大切な情報です。そのため、他社と同じ内容をそのまま使用することで「具体的な興味がない」「誠意が感じられない」と判断されるリスクがあります。
以下に、使い回しを効果的に活用しつつ、法人ごとにオリジナリティを持たせた志望動機を書くためのコツを紹介します。
1. 使い回しが可能な部分
自己の強みや経験を述べる部分
志望動機の中で、自分の強みやこれまでの経験について述べる部分は、ある程度使い回しが可能です。例えば、「介護職員としてのこれまでの経験を活かし、利用者に寄り添ったケアを提供したい」という表現は、どの法人に対しても共通してアピールできる強みです。
例:
「これまでの介護経験を通じて、利用者一人ひとりに寄り添ったケアを提供することの大切さを学びました。この経験を貴法人で活かし、さらに質の高いケアを提供したいと考えています。」
2. 各法人に合わせて調整すべき部分
法人の理念や特徴に触れる部分
応募する法人の理念、特徴、提供するサービスに具体的に触れる部分は必ず調整します。どの法人も独自のサービス内容や理念を持っていますので、それを理解し、共感していることを示すことで、採用担当者に「この応募者はうちの法人に興味を持っている」と感じてもらうことができます。
例:
「御社の掲げる『地域に根差した包括的なケア』という理念に共感しました。地域の高齢者が住み慣れた場所で安心して暮らし続けられる環境を支えるために、これまでの経験を活かして尽力したいと考えています。」
3. 効率的に法人ごとに異なる志望動機を書くコツ
テンプレートを作り、調整する部分を明確にする
志望動機を一から全て作成するのは大変です。そこで、基本的なテンプレートを作り、その中で調整すべき部分(法人の特徴や理念に触れる部分)をあらかじめ空けておくと良いでしょう。この方法であれば、法人ごとに異なる部分をスムーズに調整できます。
テンプレート例:
私はこれまで〇〇な経験を通じて、〇〇な強みを培ってきました。御社の〇〇という理念(または特徴)に強く共感し、自分の経験を活かして〇〇の分野で貢献したいと考え、志望いたしました。
このように、法人名や理念に共感する理由を変える部分をテンプレート内で定義しておけば、毎回最小限の修正で済み、効率的に志望動機を作成できます。
法人ごとの情報をリサーチして組み込む
各法人のウェブサイトや求人情報を見て、その法人の特徴、理念、提供するサービスの違いをリサーチしましょう。例えば、「地域密着型の介護」「認知症ケアに力を入れている」「利用者の自立をサポートする」という情報を得たら、それを志望動機に反映させます。
例:
「〇〇施設では、利用者の自立支援を重視した介護を提供しており、私も自立支援を通じて利用者の生活の質を向上させたいと考えています。」
4. 使い回しがバレるリスクと回避策
志望動機の表現を法人独自の内容にカスタマイズ
完全な使い回しがバレると、応募に対する真剣さが疑われる可能性があります。これを防ぐために、法人ごとの具体的な特徴や事業内容をしっかり取り入れた表現を使うことが重要です。
具体的な取り組みを挙げる
応募先が取り組んでいる具体的な活動について触れると、調査をしたことが伝わりやすくなります。例えば、「〇〇施設のデイサービスでは、利用者が積極的に社会参加できるようなプログラムを提供している点に魅力を感じました」といった形です。
まとめ
・部分的な使い回しはOK:自己の強みや経験を述べる部分は共通化できます。
・法人独自の情報に合わせて調整:理念や特徴に触れる部分は、その法人に特化して具体的に記載。
・テンプレート化して効率化:テンプレートを作成し、法人ごとの情報を簡単に挿入できるようにする。
・リサーチを重視:各法人の特徴を調査し、具体的なプロジェクトや取り組みに触れることで差別化する。
志望動機は採用担当者に対して「自分がなぜその法人で働きたいのか」を強くアピールする重要な要素です。部分的に使い回しをするのは効率的な方法ですが、各法人に対する関心と理解をしっかり示せるよう、適切に調整を行いましょう。